私の夢。親の夢。夢という名の現実。

       

子供の頃は今よりももっとはっきりと

「私はこうなりたい!!」という強い意志が伴った夢があったはずだと思うのですが

いつからかそれが消えてしまったような

無理やり抑え込まれてどこかに隠れてしまったようなそんな気がします。

 

知ってるはずなのに分からなくなってしまった『私の夢』。

今回は私がそんな自分の夢を探して彷徨っていた今までのお話です。

 

小さい頃の夢

とても小さな頃はお姫様になりたいとか魔法使いになりたいとか

大勢の女の子たちが思ってたであろう(?)夢と同じような白馬の王子様の物語のような

そんな物語の主人公になるのを夢見ていました。

 

小学生の頃になるとどこから聞きつけてきたのか

カウンセラーになりたいと思うようになりました。

話を聞く人。悩みを聞く人。

 

ただそれを嬉々として母に話したところ

そんな大変な仕事はやめておいたほうがいいと

人の悩みなんていつも聞いてたら自分がおかしくなるし

あなたには無理だと言われ

おかしくなるってなんだよと思いながらも確かに大変だろうなと思うところもあって

その時は納得したような気がして

そのままそれ以降は私の心の中にしまって口にはしないようにしていました。

 

本を読むこと、特に物語を読むことが好きだった私は

魔女や妖精の存在に惹かれどっぷりとはまったり

それに関わる占いにはまったりもしてしました。(これは今でもそう)

 

物語の中でも特に好きだったのが星座にまつわるお話や女神や神様のお話しで。

読んでみると結構ドロドロというか残酷な話も多くあって

うぇ〜となりながらも興味深く

どんどんと先に読み進めていたのを覚えています。

 

自分とは全く違う世界の全く違う存在にワクワクして

その世界にのめり込んでは現実の世界からちょっとだけ離れて。

今の自分とは違う特別な自分になりたいという気持ちは

もしかしたらこの頃からずっと同じようにあったのかもしれません。

 

それに今思えば

小さい頃から私の夢の真ん中にずっとあったものは

今の私は本当の私じゃない、ここは私の居場所じゃないという

漠然とした

そのままの自分を否定するような感覚だったように思います。

 

 

 

何処かに消えた夢

そんな、私が私じゃないような感覚は

思春期になると益々強くなり

それと同時に本当の自分を見つけられない無力感も強くなり

なのにそこから逃げられない虚無感に

どうにもならないモヤモヤというのが増えてきました。

 

それに加え

好きな人ができたり外見が気になったり

テスト勉強に部活に習い事にと

やらなければいけないことはどんどんと増えて。

 

大人からは将来どうするの?どうしたいの?と聞かれる一方で

私自身は夢を持つこと自体が無意味なような気さえして

私の持つ夢なんてたいしたことないし叶うわけもないと

きっとバカにされて終わるだけだという気持ちが大きく心を占めていました。

 

夢を見ようと思えばいくらでも見られるし

夢ならどんどん膨らむけど

それは本当にただの”夢”で

夢として存在することだけが許されてて

私の夢は現実には存在してはいけないものとして私の中に刷り込まれていたようでした。

 

親に認めてもらうのが夢?

今でこそ適度な距離をもって接することができるので

比較的良好な関係を保ってると思っていますが

一緒に住んでいた頃の私と親の関係はあまり好ましいものとは言えませんでした。

少なくとも私はそう感じていました。

 

私は私の親しか知らないし私の家のルールが全てだったので

それが私にとっての当たり前で当然のことだったのですが

少しずつ周りの家のことを知るようになって

だんだんと何かおかしいと思うことが増えていきました。

 

どんなに暑い日でも寒い日でも

天気が良くても悪くても夜中でも

怒られればそのままの状態で外に出され、いつ中に入れてもらえるか分からず。

ご飯の前にそうなれば当然ご飯はなし。

 

でもそれでも

私が悪いからだと思ってたし(今でも思ってたりするし)

どんなに嫌なことをされても大っ嫌いだと思っても

やっぱり親のことが好きという気持ちは無くならなくて。

 

どんなに否定されてもバカにされても

認めて欲しいと思って。

認められることを願って。

 

結果的に

親が望むような私になることが夢なんだと

ひねくれた感じに、でもとても真剣に、私の夢が出来上がりました。

 

 

 

”夢”から得た”現実”

親が望むような私になることをどうしたら叶えられるのかと考えた時に

まず学歴を高くしないといけないんだと思いました。

 

ただその時点で私はそこまで優秀でもなかったし

高校のレベルもそこまで高いわけでもなかったし

さてどうしようとなった時に

私と父は共通の『宇宙好き』という点がありまして

一緒にNewtonという雑誌を読んだりしていたので

そうだ宇宙だと思いまして。

 

ただ日本で宇宙関連の大学に行くなんて無理だと思ったので

そうかそれなら留学だとなりました。

驚くほどに単純な思考です。

 

父は英語を話せること、英語が達者なことが1つのステータスだと思っていたし

母もそんな父を尊敬していましたし

留学なんてまさにうってつけじゃないかと思ったり。

 

そんな諸々を考えてみた結果

ではアメリカで宇宙関連の勉強をしましょうということになりました。

 

最初こそ冗談だと思っていた様子の親も

私が本気のようだと感じたあとは不思議なほどトントン拍子に進んで行きました。

 

私のひょんな思い尽きで

特に金銭面に関してかなりの負担をかけてしまったのですが

勉強するのならとそこはなんとかすると言ってくれました。

感謝ももちろんありますが

まっすぐに”私の夢”を応援してくれることがとてもとても嬉しかったことを覚えています。

 

だがしかし、思いつきでの行動だったとしても留学は留学で

英語が苦手だった私にとっては苦労だらけで

勉強がとんでもなく難しいことに加え人間関係での色々もあって

鬱になりボロボロになりながらなんとか卒業はできたもの

心身ともに健康とは言い難い状態で9年後に帰国しました。

 

薬の影響で働かない脳と

それでもやることが目の前に山ほどある状況に一杯一杯すぎて

最後の方は記憶が曖昧だったり無かったりもします。

 

鬱と向き合いつつ

帰国してからも幸いなことに宇宙関連のお仕事に就くことができ

また親も喜んでくれたのでこれまたとても嬉しかったし良かったのですが

少ししてからふと、気づいてしまったんですよね。

 

あれ?私って本当にこの仕事がしたいのかな。。。

 

みんながみんな、したい仕事をしてるとは限りませんし

そうじゃなくてもいいと思うのですが

その時の私の中に湧き上がってきたのは

これ以上自分を偽るのはやめろー!!という強い思いだったんです。

 

多分、親の望む私になるのが”夢”という幻想が

親に応援されて喜んでもらえて一定量満たされたお陰で薄れたせいで

それまで押さえ込んでいた本当の私の気持ちが一気にでてこようとしたんだと思います。

 

気づいてはいけないものに気づいてしまった私の心。

さぁ大変。

 

ずっと蓋をして重しをつけて

それが開かなければそのまま行けたかもしれないけど

気づいてしまってから。

夜は眠れないし朝は起きられないし会社に行こうと思っても体が動かないし

薬を飲んでる頭は全く働いてくれない。

結局私はもうそれ以上そのままの生活を続けていくことができなくなってしまいました。

 

退職です。

 

努力も必要な私の夢

夢がどんなものだとしても

当然ながらその夢を叶えるにはそれ相応の努力が必要になるものなんだと思います。

 

それは分かっているつもりだったのですが

どうやら私の中にあった

自分が本当になりたいものにはなれないんだという強い思い込みは

いつの間にか何処かに行った訳でも、消えて無くなった訳でもなかったようで

しっかりと私の心の中に根付いていてそれに対する私の思考にずっと影響していたようです。

 

更には私はその思い込みから

大きな恩恵を与えられていたようでした。

 

夢を叶える努力を、しなくてもいいと。

どんなに頑張っても本当に自分がなりたいものにはなれないのなら

大変な思いをしてまで努力する必要などないんだと。

一大事です。

 

結局のところ簡単に言ってしまえば

夢を見るのは好きだけど努力をするのが嫌だったのかもしれません。

 

努力して上手くいかなければまた親に馬鹿にされる。

周りからもきっと笑われる。

そんな風に自分が扱われるなんて耐えられないと。

きっとプライドも高いんだと思います。

 

夢見てるだけで想像してるだけでいつでも簡単にできる気になったり

できる限り親のせいにしたり環境のせいにして

逃げてる部分は確実にありましたし

そして残念ながら、気を抜くと今でもそうなってしまいます。

 

本当に手に入れたい私の夢から怖くて逃げていたのは

私自身だったんです。

悲しいことに。

 

 

 

またここから

今でこそこうやって振り返って反省して

それをこれからに活かしていこうと冷静に考えられるようになりましたが

 

今までに何度も同じような壁にぶつかって

でも自分とは向き合いたくなくて

努力を続けていくのも怖くて苦しくて

だけど夢に対する僅かな希望を捨てきれなくて

また同じ場所に戻ってきてはまたやり直す

そんなことをずっと繰り返してきました。

 

何度繰り返しても叶わなくて

毎度毎度振り出しに戻されてたら

そりゃあ自分の夢自体がなんなのかも

分からなくなってきますよね。

 

またここから。

それでもまた新しいスタートはきれるって

自分を信じたい気持ちの方が今は大きくなっています。

きっと何度でもできる。諦めなければ。

 

それに

確かに同じようなことを繰り返してはきたけど

きっとそれは全く同じ訳でもなくて

少しずつ少しずつ変わってるものもあるはずだと思ったりします。

 

もしかしたら何がしたいのか分からない時は

迷ってみる必要がある時で

思う存分迷ったあとの成長した自分と出会うための準備期間なんだと

そう信じて暗中模索してみると

そのうち進むべき道が自然と光って見えてきたりするのかもしれないと思えたりもします。

 

今でも迷う時はよくあって

悩み疲れてグッタリで動けなくなったりもするのですが

今自分が自分のためにできるサポートをその都度活用しながら

いつまで経っても謎だらけの自分自身と

今日もまた向き合っていこうと思えます。

 

私は一体何がしたいのかここから何処に行きたいのか

私の夢は何なのか。

これからもきっと何度も自分自身へのこの問いかけはでてくるものだと思うし

その度にグッタリしてしまうのかもしれませんが

 

また少し自分のことを知ることができるチャンスだと信じて

諦めずに自分と向き合っていけたらと思います。

 

だから多分…

私の夢は

私が『私』を生きること、ということなのかもしれません。

 

とてもシンプル。

 

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